生活リハビリを実践していく上で、「立つ」「座る」「移動する」といったご利用者様の「生活意欲」と「身体機能」を引き出す介助が大切になってきます。同時に、こうした介助を応援する設備や用具も、ご利用者様の「意欲」と「身体機能」を引き出す上で、欠かすことのできない重要なポイントとなります。このコーナーでは、在宅サポートセンター生田の生活リハビリ式ケアを支える設備や用具にフォーカス。手すりの位置や形、イスやテーブルの高さなど、ちょっとした工夫がご利用者様の「生き活き」につながることを紹介します。
在宅サポートセンター生田の設備の中で、大きな特長のひとつとなっているのが「トイレ」です。車いすが十分に回転できる広々としたスペースが確保されたトイレは、左マヒ、右マヒの方に対応できるようになっています。
各トイレの便座の前には手すり台が設置されています。この手すり台は、ご利用者様が握ったり、前腕を乗せたりすることも。この手すり台を使うことで、ご利用様は十分な前かがみの姿勢を引き出すことが可能となり、マヒのある方や、足腰の弱った方でも、「立つ」「座る」「移乗する」が、容易にできるようになるのです。
デイサービス響には「檜浴槽」が、またグループホーム響に「陶器の浴槽」が設置されています。どちらも、リフトなどの機械は設置されていません。でも、車いすを利用されている方や足腰の機能が衰えた方も、職員の介助で機械に頼ることなくお風呂を楽しんでいます。 こうした「普通のお風呂」に「普通に入る」生活リハビリ式入浴を可能にしているのが、それぞれのお風呂に設置されている洗い台なのです。洗い台の高さは、浴槽と同じ高さに設定されています。ご利用者様は、この浴槽と同じ高さの洗い台に座ることで、浴槽に入ることができるのです。
浴槽の外側の淵をよく観察してください。ちょうど指先が引っかかる程度に溝が設置されています。この溝が、お風呂に入るご利用者様にとって欠かせないものなのです。 ユニットバスなど一般の浴槽の場合、浴槽の淵を握ったり、指を引っ掛けたりすることはできません。腕の支持基盤を得られないことから、身体機能が衰えてくると、「普通のお風呂」に入れなくなってしまうことがあります。このため浴室や浴槽周囲に手すりを設置しなければならなくなります。浴槽の外側に設けられた幅1.5cm、深さ1cmの溝が、この手すりの役割を果たしているのです。 お風呂に入るとき、浴槽内で向きを変えるとき、お風呂から出る時など、さまざまな場面で、このわずか1cmの溝が大活躍するのです。